遺言書が必要な理由

「うちは財産が少ないから大丈夫」「家族仲が良いから揉めない」――そう思っていませんか?

実は、遺産分割でトラブルになるケースの多くは、財産が多い家庭ではなく「普通の家庭」で起こっています。遺言書がないと、相続人全員で「誰がどの財産をもらうか」を話し合って決める必要があります(遺産分割協議)。この話し合いがまとまらないと、預金の引き出しも、不動産の名義変更もできません。

遺言書があれば、あなたの意思に沿った形で財産を分けることができ、ご家族の負担を大きく減らすことができます。

こんな方は遺言書の作成をおすすめします

  • 自宅などの不動産をお持ちの方
  • 相続人が複数いる方
  • 再婚されている方、お子さんがいない方
  • 特定の人に多く残したい方
  • 家族に手続きの負担をかけたくない方
  • 事業を承継したい方

公正証書遺言と自筆証書遺言の違い

遺言書には主に2つの種類があります。それぞれの特徴を比べてみましょう。

公正証書遺言 自筆証書遺言
作成方法 公証人が作成 本人が手書き
費用 数万円〜十数万円 基本的に無料
無効リスク 非常に低い 要件不備で無効になる場合あり
検認手続き 不要 家庭裁判所での検認が必要
保管 公証役場で保管 自己管理 or 法務局保管制度
相続時の手続き すぐに使える 検認後に手続き開始

自筆証書遺言の「落とし穴」にご注意

自筆証書遺言は費用がかからない反面、厳格な要件が定められています。たった一つの要件を満たさないだけで、遺言全体が無効になる可能性があります。

こんなケースで無効になることがあります

  • 日付が「2026年3月」のように日の記載がない場合
  • 署名が本名でなくペンネームや商号のみの場合
  • 訂正の方法が法律の要件を満たしていない場合
  • 認知症の進行により意思能力が疑われる状態で作成された場合

公正証書遺言であれば、公証人がその場で要件をチェックするため、こうした「後から無効と判定される」リスクを防ぐことができます。

多くのご家庭には公正証書遺言がおすすめです

数万円の費用はかかりますが、「後から無効になるリスクがない」「検認手続きが不要でスムーズ」「公証役場で安全に保管される」という大きなメリットがあります。

特に、不動産をお持ちの方や相続人が複数いる方、二次相続(配偶者の後の相続)を見据えている方は、公正証書での作成を強くおすすめします。

自筆証書遺言が向いているケース

  • 遺産が少なく、相続手続きが単純な場合
  • 相続人が一人で、関係が良好な場合
  • 内容を頻繁に変更する可能性がある場合

遺言書作成の流れ

  1. 無料相談:ご家族構成や財産の概要をお伺いし、遺言書の必要性や最適な形式をご提案します
  2. 内容の検討:誰に何を残すか、具体的な内容を一緒に考えます
  3. 原案の作成:法的に有効な遺言書の原案を作成します
  4. 公証人との調整:公正証書の場合、公証役場との打ち合わせを代行します
  5. 遺言書の完成:署名・押印を行い、遺言書が完成します

遺言書は「元気なうちに」作ることが大切です

遺言は「いつか作ればいい」と先延ばしにされがちですが、認知症の進行や突然の病気・事故によって、作成できなくなるケースは少なくありません。

元気なうちに、正確に、安心した形で作ることが何より大切です。「まだ早い」と思っている今が、実は一番良いタイミングです。